30歳の娘が、6年ほど前に第1子を出産後、手のひらや足の裏の皮に水ぶくれが繰り返しでき、皮膚科で掌蹠膿疱(しょうせきのうほう)症と診断されました。ぬり薬などで良くなったものの、第2子の出産で症状が悪化しました。出産と関係はあるのでしょうか。(兵庫県・I)
Q どんな病気ですか。
A 手のひらや足の裏が赤くかさかさになり、小さい水ぶくれやうみが繰り返しできる病気です。かゆみや足の裏などがひび割れて痛いこともあります。男女比はおおよそ1対2と女性に多く、患者数は国内に十数万人と推定され、40代や50代で発症することが多いです。
Q 原因は。
A まだわかっていないことも多いですが、へんとう炎や虫歯など、体の別のところでの慢性の炎症が影響する「病巣感染」や喫煙が引き金となって発症したり、症状が続いたりする例が多くみられます。
Q 出産との関係は。
A あまり例はありませんが、妊娠や出産で虫歯ができやすくなるため、病巣感染が悪化したのかもしれません。また、ストレスが引き金になる場合もあるので育児や環境の変化が関係している可能性も考えられます。
Q 治療法は。
A スキンケアとともに、必ず禁煙し、悪化因子を除くため、病巣感染の治療をします。ステロイドやビタミンD3が入ったぬり薬を中心に、毎週通院が可能なら紫外線療法を追加します。効果がない場合や関節炎がある場合は、炎症を抑えるのみ薬や注射(生物学的製剤)もあります。しっかり治療すれば多くは完治できる病気です。
Q コロナ対策で手洗いが増えましたが注意点は。
A 刺激の少ないせっけんを使うといいでしょう。ハンドクリームでこまめに保湿もして下さい。かさかさになった皮膚をひっかいたり、かいたりはがしたりすると悪化するので、気になる際にははさみで切るようにして下さい。
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