【動画】池上彰さんと朝日新聞編集委員が東海豪雨をふりかえる=メ〜テレ撮影。記事の最後には「防災とコロナ」について語った後編があります。
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 7月の豪雨や台風10号など、今年も災害が相次いでいます。近年よく耳にする「ハザードマップ」や「帰宅困難」といったキーワードが注目されるきっかけは、2000年9月に名古屋を襲った東海豪雨でした。水害にどう備えればいいのか。名古屋テレビ(メ~テレ)と朝日新聞の共同企画で、ジャーナリストの池上彰さんと、朝日新聞の伊藤智章編集委員が議論を交わすうち、新型コロナウイルスに伴う「新しい生活様式」と防災の関係もみえてきました。司会はアナウンサーの金沢歩さんです。

 金沢 20年前の東海豪雨、伊藤さんは当時も取材したそうですね。

東海豪雨
 2000年9月11日から12日にかけて東海地方で激しい雨が降り、名古屋地方気象台では1時間降水量97ミリ、2日間の降水量は567ミリで年間総降水量の約3分の1に達した。名古屋市西区で新川の堤防が決壊したほか、雨水の処理が追いつかずに下水などからあふれる「内水氾濫」も各地で発生。愛知、岐阜、三重、静岡、長野の5県で約7万2千戸が浸水した。浸水戸数は昨年10月の東日本台風(台風19号)の約7万戸と並んで過去最悪レベル。

 伊藤 あの日、夜6時ごろから雨がどんどん激しくなりました。1時間100ミリぐらいの雨で、傘が破れるような雨って本当に降るんだなと思いました。名古屋市内でバスが水没したとか、郊外で堤防が切れたらしいとか情報が入ってきて、駅が水没したと電話で聞いたときはびっくりしました。帰宅時間帯でしたから、家に帰れなくなった人がたくさんいて、会社に泊まっている人もいました。私は夜中の3時ごろに車で帰ったのですが、道路も川の中を車がすべっていく感じでした。

拡大する写真・図版水没したバスや乗用車の間を縫って消防や自衛隊のボートによる救助活動が行われた

 池上 文字どおり「帰宅困難者」のはしりです。いまから思えば、東海豪雨はいわゆる「都市型災害」で、あのころから非常に被害が大きくなりました。大雨が降ると山奥で崖が崩れ、川が氾濫(はんらん)する。都市に住む人にはどこか遠い話のような気がしていたはずです。ところが、名古屋の中心部でも一挙に水があふれた。都市型の洪水が、その後あちこちで起きるようになりました。

 東海豪雨の雨のピークは月曜日の帰宅時間帯だった。東海地方の鉄道網は大混乱に陥り、駅は「帰宅困難者」であふれた。名古屋駅では13時間にわたって全列車の発着が停止。代替輸送もできず、運転再開を待ち続けた約1万1千人が駅で夜を過ごした。名鉄や名古屋市営地下鉄の複数の駅は水浸しに。東海道新幹線も74本が駅や駅間で立ち往生し、5万人以上の乗客が車内で夜を明かした。鉄道の全面復旧までの4日間で、約110万人に影響したとされる。同市営バスも道路の冠水などで9台が水没した。

 金沢 同じころ、私が住んでいた福岡でも地下街が水没しました。なぜ都市が水害に襲われるようになったのでしょう。

 池上 一つは都市がアスファル…

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