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 上野動物園がある東京都立上野恩賜(おんし)公園内に、動物をモチーフにしたトイレが誕生した。内装にはパンダやキリンたちの後ろ姿が描かれ、排泄(はいせつ)物そのものをイメージしたデザインも。製作に取り組んだ東京芸術大学の学生らが「生活に欠かせない排泄の意味を考えるきっかけにしたい」という思いを込めた。

 東京都が昨春、「美術館や博物館が立ち並ぶ上野にふさわしい、観光客も楽しめる芸術性の高いトイレにしたい」と、すぐそばにキャンパスがある東京芸大に協力を持ちかけた。

 建築やデザイン、絵画など各分野から学生約40人が参加。上野公園の大噴水近くのトイレをリニューアルした。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、予定より半年ほど遅れたが、1年半近くかかっての完成となった。

 「上野トイレミュージアム」と名づけられ、トイレのドアにはパンダ、ライオン、キリン、ペンギンの後ろ姿が描かれた。壁の曲面には、それぞれの動物の生活環境や、排泄物の形を模した「うんちタイル」を配置。便座に腰掛けると、動物たちと一緒に排泄しているような感覚になる。

 中心的な役割を担った大学院生の真木友哉さん(25)は、排泄の大切さを確認するために聞き取りに行った上野動物園の飼育員から「動物たちとは会話ができない分、うんちを通して健康状態を確認している」と言われたことが印象に残ったという。「ミュージアムで用を足す前と後で、少しでも排泄への意識が変わってくれたらうれしい。生まれ変わったこのトイレをぜひたくさんの人に利用してほしい」(長野佑介)