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 築90年以上の古民家の主になり、大規模耕作をしてみませんか――。宮城県村田町のとある農村が、志のある者の移住を募集している。用意するのは、長く空き家になっていたムラ一番の豪農の家。後継ぎ不在に悩む地域で、農業のリーダーになってもらいたいと期待する。

 沼田地区は、100戸余りの兼業農家が中心の山あいの農村だ。入り組んだ60ヘクタールの水田を大規模化する「圃場(ほじょう)整備」の話が持ち上がったのは、約2年前。だが問題があった。

 「誰がリーダーになるんだ?」

 圃場整備の補助金は農地の集積が条件。個人農家が農事組合法人などの形で共同化する必要があるが、10年、20年と営農を引っ張れる人材が見当たらない。担い手がおらず他に耕作を依頼している農家や、耕作放棄地も増えていた。

 話し合いには地区に住む町職員の半沢剛さん(48)も加わっていた。「ならば外から呼ぼう」と考えた半沢さんは、空き家になっている立派なつくりの民家に思い当たった。町外に住む親族に問い合わせると、家、田畑とも処分するつもりだったという。

 家の前に田畑が広がり、作業場や倉庫、雑木林のちいさな裏山つきだ。母屋の台所にはかまどが残り、蚕を飼っていた広い屋根裏部屋もある。住居再生にはそれなりの費用がかかるが、地域でとれる米や野菜を使い、農泊事業(農家民宿)もできそうだ。町役場からは手続きなどの支援の約束もとりつけた。

 屋根裏を含む3階建てで延べ床面積266平方メートル、田畑2・6ヘクタール、山林4・3ヘクタールで、売買、賃貸とも可。社会人経験3年以上で、40歳未満の人を歓迎する。「でかい田んぼを任せられる、意欲のある人に来てほしい」と半沢さん。SNSで発信してから1週間余りで、仙台市や気仙沼市などから問い合わせが来ているという。問い合わせはメール(tsuyosusan@i.softbank.jp)へ。(石橋英昭