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スポーツのミカタ

 高鳴る鼓動が聞こえてきそうだった。本来なら東京五輪の開幕に合わせて祝日となっていた7月23、24日の連休を利用し、愛知県の5地区で陸上の高校独自大会が開かれた。短距離走など一部の競技は1人1レース限定の一発勝負だった。

新型コロナウイルスの影響で高校総体など多くの大会が中止となるなか、各地で代替大会が開かれている。どんな思いで競技に臨んでいるのか。高校生アスリートのひと夏を追った。

 名古屋市で開かれた名南北地区の大会。

 「調整が難しかった」

 「走れただけでうれしい。運営スタッフさんに感謝です」

 選手は口々に言った。減少傾向だった県内の新型コロナウイルス感染確認数が再び増えようとしていた時期。

 この日を高校生活最後の試合と位置づけない有力選手にとっても、今回で好記録を出せなければ、次はいつ試合があるのかわからない。そんな気持ちと戦っていた。

 すでに引退した3年生は大勢おり、選手は仲間や先輩の無念も背負って競技に出場していた。名南北大会の100メートル走でみると、3年生のエントリーは88人で、2年生の200人や1年生の163人に比べ大幅に少なかった。大会は地区ごとに開かれたが、記録はリモートで比較され、県全体の6位以上が入賞となった。(土井良典)