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 かつて田んぼだった谷間の土地に潤いを取り戻し、治水や水質保全につなげられないか。そんな試みが千葉県北部で進められている。生きものを育む場になるうえ、地域の活動にもつながる。自然の多様な機能を持続可能な社会の基盤に据える「グリーンインフラ」の一つの形だ。

「谷津」に潤いを再び 水害防ぎ水質浄化

 8月上旬、成田空港に近い千葉県富里市。台地に刻まれた谷間の低地に住民や学生が集まった。コンクリート製の水路を板でふさぐと、むき出しの地面へと水が導かれ、じわじわ広がっていった。

 「水が冷たい」「そのまま流していたのはもったいないね」。そんな声が上がった。水源をたどり谷の奥に進むと、台地のへりから湧き出ていることがわかる。近くには、きれいな水を好むサワガニの姿もあった。

拡大する写真・図版水田跡の荒れ地を切り開き、水を引き込んだ谷津。樹木が茂る左右の斜面の高さは十数メートル、その上の台地には畑が広がる。日が差しやすいよう斜面の木々も枝打ちした=千葉県富里市

 ここは地元で「大谷津」と呼ばれる。入り口付近の幅は30~40メートル、奥行きは300メートルほど。水田だったが40年ほど前から使われなくなり、乾燥した地面にはセイタカアワダチソウやササ、ヤナギやクワの木が生い茂った。1年前から住民の手で切り開き、あぜを造り直した。

 「4~5メートル先は見えず、人は入れなかった」と地元の相川光規さん(72)。もともと子どもが遊べる場所にしようとしていたところに、国立環境研究所や東邦大などのグループから話があり、水量や水質、植生などの変化を探る調査に協力することになった。「防災・減災にもつながると知り、作業に熱が入った」

 こうした谷状の地形は、地域によって谷津、谷戸(やと)などと呼ばれる。富里市を含む印旛沼流域には600カ所ほど。多くが水田だったが、1960年代以降、使い勝手の悪さから耕作放棄が進んだ。埋め立てられた場所も多い。

 研究は、谷津を湿地に戻したと…

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