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経済インサイド

 シェアハウスなどの投資用不動産融資で大規模な不正が多数発覚したスルガ銀行が今春以降、返済に苦しむシェアハウス購入者の借金を「帳消し」とする対応を進めている。多くの人に「まさか」「奇跡だ」と思わせた異例の措置はいかに決断されたのか。その舞台裏に迫る――。

 東京・日本橋の百貨店「三越」の前に立つスルガ銀行東京支店。その交差点で月に2、3度、計50回超にも及んだ抗議デモがぴたりとやんだ。昨年7月末のことだ。

拡大する写真・図版平日の朝、スルガ銀行東京支店前での抗議デモ。2018年4月から累計50回を超える=19年4月、東京・日本橋

 デモの参加者は、同行の融資で新築の木造シェアハウスを買ったものの、約束された家賃が払われず、返済困難となった顧客ら。彼らは弁護団を通じて借金の棒引きを求める交渉も続けており、デモの中断は「スルガ銀行の方針が変わった節目」だと、スルガ銀と顧客側双方の関係者が認める。

 スルガ銀行では、預金通帳や給与明細などを偽造し、顧客が「富裕層」だと偽ることによって、身の丈に合わない過剰融資を引き出す不正が横行していた。疑惑は2018年2月の朝日新聞報道で浮上。金融庁は4月から立ち入り検査に入り、秋には半年間の業務停止命令を出した。

 顧客らの被害弁護団は18年2月末に結成。企業法務に詳しく原発訴訟にも関わる河合弘之(76)と、消費者被害の救済に取り組む山口広(71)の両弁護士が共同代表となった。

 デモは河合のアイデアで同年4月に始まった。弁護団の中にも「デモなんて効果があるのか」といぶかる声が出たが、上場企業などに勤める会社員たちによってぎこちなく始まったデモは徐々に勢いづき、多いときには100人超に膨らんだ。

 「最初はやり方もわからず緊張したけど、回数を重ねるうちに勇気とやる気のようなものがみなぎってきた」と、参加者のひとりは振り返る。

 被害弁護団は当初から、物件を手放し、残る借金をゼロとする代物弁済による「一律解決」を要求。最終的にはシェアハウス購入者約1200人のうち200人超が、弁護団に交渉を委任した。

 一方、多くの銀行員が不正に加…

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