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 さいたま市議会の予算委員会は8日、新型コロナウイルス感染の経済対策として市が進めるプレミアム商品券発行事業を含む補正予算の専決処分議案を賛成多数で承認した。委員長を除く委員19人中、民主改革5人と公明3人、共産2人が承認に賛成する一方、自民真政3人と無所属1人が反対した。自民5人は退席し、採決に加わらなかった。

 専決処分は、特に緊急を要し、明らかに議会招集の時間的余裕がない場合に認められ、議会で報告、承認を求めると地方自治法で規定されている。通常、本会議で速やかに承認されるが、今回は委員会に審議を付託し、かつ採決で賛否が割れる異例の事態となった。予算の執行にあたっては、承認の可否は加味されない。

 問題となったのは、1冊1万円で1万2千円の買い物ができる商品券60万冊の発行事業に関し、19億円余の大型事業で12月実施まで4カ月あるのに、臨時議会を招集せずに7月下旬に市長が専決処分としたことや、民間委託の事務費が予算の3分の1以上を占めることなど。議会軽視との批判や予算の内容に疑問の声が上がり、審議も1日だけの予定が3日がかりとなった。

 予算委の審議でも「券を希望する人の募集や抽選、郵送など手続きで4カ月かかる」との市の説明に、「同じ抽選方式の商品券でも議会で可決して2カ月でやる市がある」と委員が反論。事務費用について商品券1冊の製作費が100円近くするとの市の試算に「そんなに高いはずがない」と指摘された。

 8日の予算委では自民真政の委員が「臨時議会を開いても問題なく対策を実施できる」と不承認を主張。必要な経済振興策として承認に賛成した民主改革などの委員も「議会の議決権を侵害しかねない」「議会と市長の信頼関係を損なう恐れがある」などと手法を厳しく批判した。

 また、自民の幹部は「議会軽視の手続きの問題と事業内容への評価で会派の意見がまとまらず、少なくとも承認はしないとの姿勢から退席した」と説明した。(森治文)