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 栃木県矢板市の「おしらじの滝」で8月、滝つぼに飛び込んだ男性2人が死亡した水難事故で、当時10度ほどだった低い水温が事故につながった可能性があることが、河川に詳しいNPO法人の現地調査でわかった。

 事故は8月18日に発生した。県警によると、群馬県から4人で遊びに来ていた23歳と18歳の男性2人が水深約2メートルの滝つぼに飛び込み、そのまま浮かんでこなかった。滝つぼに沈んでいるところを救助されて病院に運ばれたが、2人とも死亡した。水死だった。

 川遊びの指導者育成や安全教室を実施するNPO法人「川に学ぶ体験活動協議会」(東京都)が9月3日に現地調査に入った。滝つぼ周辺の水温を計測したり、事故の状況を再現したりした。

 「人が流されたり、吸い込まれたりするような場所ではない。なぜここで人が溺れたのか」。調査を担当した橘昌憲さん(39)は疑問に思った。滝の水量は少なく、流れもほとんどなかった。

 協議会によると、滝つぼに注ぐわき水の水温は最低9・8度だった。滝に注ぎ込む流水よりも低かった。事故当日、滝は流れていなかったため、滝つぼの水温は10度前後だったとみられるという。事故当日、隣町の塩谷町の最高気温は33度で、各地で真夏日を記録していた。

 「温かい水は水面近く、冷たい水は下にたまる。滝つぼに飛び込み、底の冷水に突然全身がつかったことが事故につながったのではないか」と橘さん。滞留している水はかき回されないため、下部に低い水温の水がたまりやすいという。

 「水の冷たさのショックで呼吸が荒くなり、思わず水を吸い込んでしまうこともある。筋肉が硬直して動きにくくなり、すぐに上がることができなかった可能性もある」。滝つぼの底には藻が付着し滑りやすくなっていた。つかまる岩場も少なく、脱出を難しくしたとみられる。

 橘さんは「2人で同時に飛び込むと、溺れた方がもう一人にしがみついて2人とも逃げられなくなる恐れがある。安全に見える場所にこそリスクが潜んでいる。どんな場所にも危険があると認識して、水遊びをしてほしい」と呼びかけていた。

 おしらじの滝は雨の後に現れる「幻の滝」として数年前から話題になった。水面が鮮やかな青に染まるため「インスタ映え」を求める人も増えていた。

 ユーチューブなどネット上には…

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