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 日本集中治療医学会と日本救急医学会でつくる委員会は、新型コロナウイルス患者への薬物治療に関するガイドラインを作り、9日発表した。研究結果に基づいて使用を推奨するかどうかを示した国内初の指針だという。酸素吸入が必要な中等症と重症患者に対してステロイド剤のデキサメタゾンを強く推奨している。

 新型コロナの治療に精通した医師や感染症が重症化して起こる敗血症の専門家が作った。現場の医療者の判断を助けるため、治験や論文をもとにして効果が期待されている5種類の薬の効果と副作用などのデメリットを評価した。

 抗ウイルス薬のレムデシビルは中等症と重症患者に弱く推奨とした。軽症患者には推奨していない。

 同じく抗ウイルス薬のファビピラビル(アビガン)は軽症患者に弱く推奨するとした。国内では有効性は定まっていないが、評価の根拠として中国で抗ウイルス薬と比較した治験の結果などを挙げている。中等症と重症患者には「利益と害のバランスは判断不能」として推奨しなかった。催奇形性は留意すべきだとした。

 ステロイド剤のデキサメタゾンは、重症者には過剰な免疫が臓器に障害を与える反応を抑える働きがあると推測され、強く推奨している。一方、軽症者には症状を悪化させることがあるため使わないことを強く推奨している。

 日本では自己免疫疾患の治療に使われるマラリア治療ヒドロキシクロロキンはいかなる患者にも投与しないことを強く推奨している。

 ただ、医師が患者の状況や意向を考慮して指針以外の治療を選ぶこともあり、その裁量を制限するものではないとしている。(三上元)