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 英製薬大手アストラゼネカと英オックスフォード大による新型コロナウイルスのワクチンの臨床試験(治験)が一時中断した問題で、神経系の症状が確認された治験参加者が近く退院できる見通しだ、と米メディアが9日伝えた。この参加者は女性で、症状は回復しているという。またこれとは別に7月にも、治験が中断していたと伝えた。

 治験中断を特報した米医療メディアSTATによると、アストラゼネカのソリオ最高経営責任者(CEO)が9日朝、投資家との非公開の電話会議で明らかにした。女性は、脊髄(せきずい)の炎症を起こす「横断性脊髄炎」と一致する症状がみられた。ソリオ氏は、女性が同日中にも退院する可能性があると話したという。女性は偽薬ではなくワクチン候補の投与を受けていた。

 7月に治験が中断したケースでは、治験参加者の一人に神経系の症状が確認された。ただその後の検査で、神経の難病「多発性硬化症」と診断され、ワクチンとは無関係と判断したという。

 一方、アストラゼネカは9日、「治験の再開時期については独立した専門家による委員会に従い、ワクチンを広く公平かつ非営利で提供するため作業を続ける」とするソリオ氏の声明を公表した。今回の女性の症状の詳細や、治験が7月にも中断していたことなどについては触れていない。(ロンドン=下司佳代子)