【朝日新聞ポッドキャスト】 官邸キャップが語る安倍政権①
安倍晋三首相の辞意は、突如として表明された印象です。ところが、普段から政権の動きをウォッチしている記者たちは、かなり前の段階で異変に気付いていました。首相官邸で何が起きていたのか。具体的にどんな取材が行われていたのか。
取材のまとめ役である官邸キャップの星野典久さんと、第2次安倍政権発足当時に官邸キャップを務めた林尚行さん(現在は東京経済部長代理)が語ります。朝日新聞ポッドキャストでお聞きください。主な内容は以下の通りです。
・番記者が血相を変えた8月12日
・この「空白の4時間」は何だ?
・決定打となった「言葉の変化」
・辞意表明は計算し尽くされていた?
有料会員の方は
音声の主な内容をテキストでも確認していただけます(音声の内容をそのまま書き起こした物ではありません)
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Q:林さんはいつキャップだったんですか?
林:第2次安倍政権発足当時、2012年の12月の発足から1年余りです。7年8カ月の間に、私を含めて計6人の官邸キャップが担当してきました。これは異例のことです。
私が担当したのは、第1次政権で「投げ出し」と批判を受け、そのリベンジを果たした時。安倍政権がアベノミクスなどで思い切りエンジンをふかしていた頃です。その後も後輩たちと一緒に取材をし、記事を書いてきました。
Q:星野さんはいつから担当?
星野:この4月からです。キャップとしては半年ですが、林さんがキャップのころに官房副長官だった世耕弘成さん、さらに、菅義偉官房長官の担当をしています。その後も官邸サブキャップを務めているので、計4年余り、ずっと官邸を見てきました。
この間、政治部を離れて特別報道部に所属していたこともありましたが、取材していたのは加計学園問題。ずっと安倍政権のウォッチをしています。
Q:安倍首相の突然の辞意表明は、どう伝わってきたんですか。
星野:体調不安が言われ始めたのが、8月に入ってから。見るからに体調がおかしいぞ、となったのは8月12日でした。
広島への原爆投下後に降った…