[PR]

 「反移民」などを掲げる政治団体が愛知県施設「愛知芸術文化センター」(名古屋市東区)で予定していた催し「あいちトリカエナハーレ」について、会場の指定管理者が許可を取り消したことがわかった。この団体は昨年10月にも別の県施設で同名の催しを開き、展示に対して「差別的」との批判があがっていた。

 企画したのは、各地の街頭でヘイトスピーチを繰り返してきた「在日特権を許さない市民の会」の元会長が「党首」を務める政治団体「日本第一党」の愛知県本部。ホームページによると、昨年の「あいちトリエンナーレ」の「表現の不自由展」を巡り、大村秀章知事へのリコール運動が起きるなか、「混迷状態に一石を投下する」として、今月25日から3日間、同センター12階のアートスペースでの開催を予定していた。

 会場の使用許可が申請されたのは7月。指定管理者の県文化振興事業団は、外国人への差別的言動を行わないことを確認したうえで、同月末、警備員の配置などを条件として許可した。事業団は、条件をつけた理由を明らかにしていないが、昨年の催しでは「犯罪はいつも朝鮮人」と書かれたカルタの読み札などの差別的展示に対し、市民団体などが抗議しており、こうした事情を考慮したとみられる。

 その後、警備会社との契約書などは提出されていないといい、事業団は県とも協議して今月8日、条例に基づいて使用許可を取り消す決定をした。団体の幹部は自身のブログで、処分を不服として県に審査請求をするとしている。

 昨年は、開催後の記者会見で、大村知事が「展示は明確にヘイト。中止させるべきだった」との認識を示していた。ヘイトスピーチ問題に詳しい熊本拓矢弁護士は「この団体は昨年も約束を破って、差別展示をした。同様の行動を取る恐れはぬぐい切れず、そうなれば、市民による正当な抗議も予想された。指定管理者の判断は適切だ」と話している。(黄澈)