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 退職金やボーナス、夏休み――。非正社員と正社員の手当や休暇の待遇差はどこまで解消されるのか。最高裁は今月、この点が争われた訴訟の弁論を5件続けて開く。早ければ10月にも判決が出そろう見通しだ。政府が進める「同一労働同一賃金」の指針があいまいな中、司法の判断は労働現場に大きな影響を与えそうだ。

 10日、第一小法廷。契約社員として郵便物の集配に携わった男性らが日本郵便を訴えた2件の訴訟で、弁論があった。「労苦に報いるための手当に雇用形態は関係ない。非正規労働者の希望となる判決を」。原告側がそう訴えると、日本郵便側は「定年まで貢献を期待された正社員にインセンティブを与えるのは合理的な経営判断だ」と反論した。2件の判決は10月15日に言い渡される。

 この2件を含め、最高裁では今月、格差の是正を求めた五つの訴訟の弁論が続く。担当する裁判官が別々にもかかわらず、「同種訴訟がこれだけ集中するのは珍しい」(ベテラン裁判官)という。

 日本郵便をめぐる訴訟は三つある。年末年始の勤務手当や夏期冬期休暇などを正社員と同様に認めるかについて各高裁で判断が異なったため、整理する。新たに扶養手当も認めるかが焦点だ。残る2件は、東京メトロの売店で働いた女性と、大阪医科薬科大学で秘書をした女性の訴訟だ。それぞれ退職金とボーナスを少額とはいえ初めて高裁が認めており、是非が問われる。

 正社員と非正社員の待遇をめぐっては、2013年に施行された労働契約法20条が不合理な格差を禁じた。その後、各地で提訴が広がり、「20条裁判」と呼ばれるようになった。

 この「不合理な待遇格差」について、最高裁が初めて判断を示したのが18年6月の判決だ。賃金総額を比べるのではなく「(手当や休暇など)項目ごとに趣旨を考慮する」とし、判断の枠組みを明らかにした。

 最高裁は今回の五つの訴訟で、18年の判決を元に、個別の項目に踏み込んで判断する。原告は異なるが、同種訴訟の弁論を一定期間に集中させたことについて、裁判官の間では「最高裁が同じタイミングで、一定の方向性を打ち出す狙いがある」との見方もある。(阿部峻介)

政策の実効性、左右する可能性も

 日本では2000年ごろから、…

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