[PR]

 欧州議会の議長と会派代表で構成する議長会議は10日、ミャンマーのアウンサンスーチー国家顧問について、人権活動に貢献した人や団体に贈る「サハロフ賞」の受賞者グループでの活動資格を停止する、と発表した。スーチー氏が同国の少数派イスラム教徒ロヒンギャの迫害を抑えるために行動せず、黙認したためと理由を挙げた。

 サハロフ賞は、人権や民主主義を守る上で優れた功績を収めた人に欧州議会が毎年、贈っている。

 スーチー氏は1990年、野党党首としてミャンマーの民主化運動に取り組んだとして受賞。1年後にノーベル平和賞を授与された。当時、自宅軟禁に置かれていたスーチー氏はサハロフ賞を受け取れず、2013年の訪欧時に欧州議会で手渡された経緯がある。

 ロヒンギャ問題をめぐっては、仏教徒が大半を占めるミャンマーで迫害を受けているとして、西アフリカのガンビアが19年、イスラム諸国の団体を代表する形で、ミャンマーを国際司法裁判所(ICJ)に訴えた。ICJの法廷に立ったスーチー氏は行き過ぎた武力行使の可能性は認めたものの、集団殺害には当たらないなどと主張した。

 サハロフ賞の受賞者は、欧州議会議員や市民団体などとともに、国際的な人権活動に取り組んでいる。過去には、女性が教育を受ける権利を訴えたマララ・ユスフザイさんが13年に受賞し、その翌年、ノーベル平和賞を受けた。(ベルリン=野島淳)