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 競泳のソウル五輪金メダリストで、スポーツ庁の鈴木大地長官(53)が任期満了に伴い、9月末で退任することが11日、発表された。後任はアテネ五輪ハンマー投げ金メダリストの室伏広治氏(45)。新型コロナウイルス対策などスポーツ界の新たな課題が山積するなかでの船出となる。

 「国際大会で日本選手が活躍して、仕事の疲れが吹き飛ぶくらいうれしかった」。5年間の任期を振り返り、鈴木氏は強調した。

 2015年に就任した鈴木氏の肝いりで立ち上げたのが東京五輪を見すえた選手強化策の「鈴木プラン」だった。19年度から空手や柔道などメダル獲得の可能性が高い競技に予算を重点配分し、世界選手権で六つのメダルをとったバドミントンなどが恩恵を受けた。

 競技力向上だけでなく、日大アメフト部の悪質タックル問題など不祥事が相次いだスポーツ界で、競技団体の運営指針を設定。部活動改革にも取り組んだ。

 一方で、15年度に40%だった成人の週1回以上のスポーツ実施率は目標の65%に届かず、50%台にとどまる。スポーツ関連の当初予算は15年度の290億円から20年度は351億円まで増えたが、「オリパラ後の21年以降は削られる」と多くの関係者が予想する。

 新型コロナウイルスの影響を受け、アスリートの海外渡航や国際大会の調整、困窮するスポーツクラブの支援、巣ごもりでの運動不足への対応など、スポーツ庁の仕事は多岐にわたる。 「この時代にどういうものが求められているのか。健康、競技力向上、様々な観点から考えていきたい」と室伏氏。スポーツ界の「顔」として2代続けて金メダリストに託された以上、肩書だけでなく、リーダーシップや実行力も問われる。(照屋健、野村周平)