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 米トランプ政権による中国通信大手、華為技術(ファーウェイ)に対する半導体の輸出規制が、15日に本格適用される。経済・軍事両面の競争力の決め手となる中核部品で米中の「デカップリング(切り離し)」が進み、華為に部品を供給する日本企業にも影響が広がりそうだ。

 トランプ米政権は今年5月と8月、華為に対する半導体の規制強化策を発表した。いまは「猶予期間」だが、15日から本格的に導入される。米国側が「中国軍に所有または管理されている」とみる華為への高性能半導体の供給を、事実上絶つ狙いがある。

 半導体産業では、受託メーカーは自ら設計せず、顧客からの設計データに基づいてつくるケースが多い。5月の規制では、華為の設計に基づいて、「米国製の半導体製造装置や設計ソフトウェア」を使ってつくる半導体について、華為への輸出を禁止した。華為は自社で設計した高性能半導体の製造を、世界最大の受託メーカー、台湾積体電路製造(TSMC)に委託しており、規制の対象となった。

 さらに8月の規制では、米国製の半導体製造装置を使って製造した半導体は、華為が設計していない汎用(はんよう)品についても、規制の対象とした。半導体を華為に供給してきた台湾の半導体大手メディアテックなども「規制の対象になる」(米商務省高官)としており、抜け穴が封じられた。

 高性能半導体は、スマートフォンや高速通信規格「5G」の通信網などで幅広く使われており、人工知能(AI)など最先端技術の開発でもカギを握る。

 米ボストン・コンサルティング・グループによると、米国は世界の半導体製造装置市場の52%を占める。半導体メーカーで米国製の装置を使っていないところは少ないとされ、華為は半導体を手に入れる手段が大きく損なわれる。

 華為は4~6月、スマホの出荷台数で韓国サムスン電子を抜いて初めて世界首位に立った。だが、米国の規制強化で、スマホや5G基地局などで、競争力のある製品がつくれなくなる可能性がある。韓国の朝鮮日報は、サムスンとSKハイニックスも、華為に対する半導体メモリーの供給を停止せざるを得なくなると報じている。

 中国税関総署によると、8月の集積回路の輸入額は311億ドル(約3・3兆円)で、18年9月に次ぐ過去2番目の大きさに膨らんだ。華為に対する制裁を受けて、駆け込みで在庫を積み増す動きとみられる。

 半導体調達の道が閉ざされるなか、中国は国内で半導体の「内製化」を急ピッチで進めている。華為は、中国半導体製造大手の中芯国際集成電路製造(SMIC)からの調達を増やしているが、米政府がSMICも制裁対象に加える検討をしているとの報道もあり、逃げ場は失われつつある。(ワシントン=青山直篤、北京=福田直之)

日本企業「努力が水の泡になることも想定」

 年間約1兆円分の部品を華為に納入する日本企業への影響も必至だ。

 キオクシアホールディングス(…

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