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 東日本大震災から9年半となった11日、岩手県内の沿岸で、県警や消防、海上保安部が行方不明者を捜索した。釜石市と大船渡市では、県警察学校を今月末で卒業する新人警察官計35人も活動した。県警によると、県内では10日現在、まだ1112人の行方がわかっていない。

 釜石市平田漁港先の海岸沿いでは、釜石署員や釜石海上保安部員らが打ち上げられた木の枝や積もった小石を動かしながら手がかりを捜した。警察犬も訓練士とともに参加した。消防隊員らは海に潜った。

 警察学校初任科生の小野寺大悟巡査(22)は山田町出身。中学1年生の時に被災し、自宅が津波に流された。その時の警察官の活動に感銘を受けてこの道に進んだ。今月末で警察学校を卒業して一線に配属される予定だ。

 この日はスコップで海岸の砂や小石を掘り返しては目を凝らした。「警察官として自覚を持って現場に立った。人の苦しみや悲しみに寄り添って活動していきたい」と語った。

 全員で発生時刻の午後2時46分に犠牲者に黙禱(もくとう)した。警察学校長として初任科生を率いた乳井博・元釜石署長はあいさつで「行方不明者の家族は、髪の毛1本、歯1本でも返ってきて欲しいと願っている。今日の体験を今後の使命につなげてほしい」と初任科生らに訴えた。(山浦正敬)