拡大する写真・図版96カ国が参加し、オンラインで行われた新型コロナ禍と気候変動に関する閣僚級会合=2020年9月3日

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 日本が議長国を務め、新型コロナウイルス禍からの復興と気候変動対策を話し合ったオンライン閣僚級会合の議長総括がまとまり、11日に発表された。新型コロナ前に後戻りしないため、社会経済の「再設計」が必要と明記。脱炭素社会、循環経済、分散型社会という三つの方向性を示した。

 オンライン会合は第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)がコロナ禍で延期になったことを受けて日本が提案し、3日に行われた。96カ国が参加し、議長は小泉進次郎環境相が務めた。

 総括の中で、脱炭素社会については、再生可能エネルギーの活用拡大や水素の社会実装、工業・家庭分野のエネルギー消費における脱炭素が喫緊の課題とした。

 循環経済は、環境と成長の好循環をもたらすことが重要とし、企業によるビジネス戦略として資源循環の取り組みを加速させる必要があるとした。

 分散型社会については、新型コロナの蔓延(まんえん)が、一極集中型の社会の限界をあらわにしたとして、テレワークやデジタル化、自立分散型エネルギーの導入など社会経済システムを再構築していくことが重要とした。

 また新型コロナについては「人間と自然の摩擦の副産物」と指摘。気候変動と環境劣化の問題を先送りせずに取り組むことは、世界全体の2030年に向けたSDGs(持続可能な開発目標)の達成とも関連するとした。(水戸部六美)

新型コロナからの復興と気候変動問題に対する各国の主な取り組み例

【エネルギー・デジタル化】

・製造拠点やサプライチェーンの再エネ導入

・再エネ由来の水素製造や水素の燃料電池自動車やバスへの利用

・再エネによるデータセンターへの電力供給

【運輸交通】

・宅配業務に使う電気自動車への支援

・脱炭素型公共交通網や自転車専用レーンの整備

・航空産業の支援に脱炭素への取り組みを義務づけ

【都市計画・建築・地方分散】

・都市の密集化回避や高効率な換気設備

・スマートシティーの設計

(議長総括から)