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 自民党総裁選に立候補した石破茂元幹事長(63)、菅義偉官房長官(71)、岸田文雄政調会長(63)は12日、東京都内で日本記者クラブ主催の討論会に臨んだ。国会議員票で優位に立つ菅氏は「7年8カ月、重要政策の決定に全て関与した。総理大臣として日本を進めていく準備がある」と語り、安倍政権の路線を踏襲しての首相就任に強い意欲を示した。

 総裁選は14日の両院議員総会で投開票される。党内7派閥のうち石破、岸田両派を除く5派閥が支持する菅氏が、国会議員票で大きくリードする情勢だ。都道府県連票(各3票)では、12日に秋田、新潟、山口が菅氏にそれぞれ3票、福岡が菅氏に2票、石破氏に1票を入れることを決めるなど、菅氏が票を積み上げている。

 討論会で菅氏は、現政権の継承を全面的に訴えた。石破氏は内政・外交での修正点を列挙し、岸田氏も政治姿勢などで注文をつけた。菅氏は消費増税について「将来まで否定すべきではない」としつつ、首相になった場合に任期中に消費増税を検討するかどうかを問われ、「10年は消費(増)税は考えない」と、事実上否定した。

 新型コロナウイルス対策では、石破氏が「感染を収束させるために必要があれば、特措法を改正すべきだ」と、自治体の権限強化や補償のあり方などで検討の余地があるとの考えを示した。これに対し菅氏は「現在の法律で感染リスクをコントロールしながら取り組むことが大事だ」と主張。追加経済対策について「事業が継続できるように、給付金、無担保・無利子の融資でつないでいきたい。これで収まらなければ徹底して次の手を打っていく」と述べ、給付金などの拡充を示唆した。

 菅氏は沖縄の米軍普天間飛行場の辺野古移設については「国と国との約束だ。普天間飛行場の危険状況を考えたとき、辺野古建設は進めていくべきだ」との考えを繰り返した。

 森友学園をめぐる公文書改ざん問題では、自ら命を絶った財務省近畿財務局職員の遺族が求める再調査を「財務省で調査し、検察でも捜査した。結果は出ている」と否定。加計学園の獣医学部新設問題については「法令にのっとってオープンなプロセスで検討が進められた」。「桜を見る会」の問題も「国会で答弁している」と、いずれも追加的な対応に後ろ向きだった。

 森友問題などについて「もう一度ゼロから調べる」とした石破氏、「説明が十分かどうかは、説明を受ける側が納得しているかどうかで判断されなければならない」と述べた岸田氏との違いが鮮明だった。

 首相に就任した場合の衆院解散については、菅氏は「国民はコロナ対策をしっかりやってほしいという思いが非常に強い」としつつ、「新総理の判断だ」と述べるにとどめた。(石松恒)