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 戦後、安倍晋三政権に次ぐ長期政権だったのは、安倍首相の大叔父に当たる佐藤栄作政権。ベトナム戦争、70年安保闘争など激動の時代を乗り切った佐藤との比較から、安倍氏のどんな面が見えるのか。「佐藤栄作 戦後日本の政治指導者」などの著書がある政治学者の村井良太さんに聞いた。

拡大する写真・図版1969年、日米首脳会談で沖縄の返還を決め、帰国直後に声明を読み上げる佐藤栄作首相(右)。左は愛知揆一外相

佐藤栄作
 さとう・えいさく 1901~75年。安倍首相の祖父・岸信介(首相在任57~60年)の実弟。自民党総裁として64~72年に7年8カ月間、首相を務め、日韓基本条約批准、非核三原則の提唱、沖縄返還を果たした。74年、ノーベル平和賞を受賞。

 ――佐藤と安倍氏、2人の首相のキャラクターの違いは何でしょうか。

 「佐藤は自民党内でも保守派とされていましたが、当時の『保守』とは、東西冷戦下で自由と資本主義を守る姿勢を意味し、復古主義のニュアンスは彼にはなかった。佐藤自身は『国民全体は同じ敗戦の苦しみを味わった同志』という意識が強く、住宅政策など格差を縮める社会政策を通じて、革新政党の支持基盤である社会的弱者を取り込もうとした。対立より融和を目指した政治家でした」

 「安倍氏も保守派の代表として登場しましたが、冷戦下のような明確な対立軸は見えづらかったのではないか。歴史修正主義的な立場を取れば『保守』であるかというと、そう単純でもなく、安倍氏には『敵と味方』をはっきり分ける姿勢が目に付きました。それは本人の個性であると同時に、時代に適応しようとしたのかもしれません」

 「佐藤が日米関係の数十年後を見据え、安保問題や沖縄問題に取り組んだのに対し、安倍氏の政治は政権運営の『今』を重視する姿勢に見えました。ただし、近年に戦後政治の研究が進むまで、佐藤の評価はずっと低かった。安倍氏の場合も、今後の研究で違った面が見える可能性があります」

 ――リーダーシップという面ではどうですか。

 「佐藤は国会答弁で野党に懇切…

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