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 本当なら五輪に沸いていたはずの夏が静かに終わった。「東京2020」を見据えて各地で企画された展覧会は今、コロナ禍の中で新たな意味を帯びる。

 金沢21世紀美術館の「de-sport:芸術によるスポーツの解体と再構築」は、スポーツをテーマにした芸術作品を通して、その意味を問い直す。冒頭、柳井信乃(やないしの)の映像とトーチによるインスタレーション「Blue Passages」は、ナチス・ドイツのプロパガンダとして生まれた近代五輪の聖火リレーをモチーフに、政治とスポーツの分かちがたさを強烈に印象づける。

拡大する写真・図版柳井信乃「Blue Passages」2016年

 スポーツは国家を背負わされる。クリスチャン・ヤンコフスキーの「重量級の歴史」は、屈強な選手たちがバーベルの代わりに偉人の銅像といった歴史的な記念碑を持ち上げるコミカルなパフォーマンスが笑いを誘う。アローラ&カルサディーラの映像作品「陸上競技」では、装甲車両の上で選手がトレーニングする。個人を通して国同士が競い合う五輪と戦争に、共通点を見いだすことはたやすい。

 そうではない、「純粋なスポー…

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