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 アフガニスタンで人道支援に尽くし、昨年12月に73歳で凶弾に倒れた医師、中村哲さんの母校、九州大学が中村さんを顕彰する記念講座やデジタルアーカイブの開設準備を進めている。12日に開いたオンラインイベントで構想を明らかにした。「中村さんの志やメッセージを若い世代に語りついでいく必要がある」としている。

 記念講座は「中村哲先生の想(おも)いを繫(つな)ぐ」(仮称)と題し、来年度の夏学期か秋学期、全学部の学生が受講できる「基幹教育総合科目」として開講する。全8回の授業で、内容については中村さんの活動を間近で見守ってきた人たちに意見を求めるとともに、講師に招くことも検討している。講座のねらいを「中村さんがやってこられたことの意味を理解し、それと同じ意味をもつことを実行するための考え方やヒントを学ぶ」と説明している。

 アーカイブは付属図書館に設置。中村さんを支えたNGO「ペシャワール会」の協力を得て、活動を記録した資料や写真、映像などを収蔵し、インターネットで公開する。伊都キャンパス(福岡市西区)の中央図書館には展示スペースを設け、銃撃事件から1年となる今年12月4日のオープンをめざす。

 中村さんは1973年に九大医学部を卒業。84年にパキスタンのペシャワルで活動を始め、アフガンへと重心を移して、医療から干ばつ対策の井戸掘り、用水路建設、農村復興へと広げていった。2014年からは九大特別主幹教授を務めていた。(佐々木亮)