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 心室の壁に穴が開いていたり、左右の血管が入れ替わっていたり。生まれつき心臓に疾患がある「先天性心疾患」の子どもは、100人に1人の割合で生まれてくるといいます。難しい子どもの心臓手術を革命的な方法で支える製品を、京都のベンチャー企業が開発、医師たちから支持を得ています。

拡大する写真・図版成人(左)と小児の心臓モデル

 子どもの心臓は、大きめのイチゴや、小粒のミカンほどの大きさ。とても小さいうえ、疾患による心臓の構造の個人差が大きい。手術には、外科医の高度な技術が要求される。手術前にCT画像を撮って状態を確認するが、画像では奥行きなど立体感覚がつかみにくく、実際に開胸しないとわからないことも多いという。

3Dプリンターで忠実に 切ったり縫ったりも可能

 医療機器メーカーのクロスメディカル(京都市伏見区)は、患児の心臓のCT画像を元に、3Dプリンターを使ってその子の心臓を忠実に再現する心臓モデルを開発した。シリコーンで外部と内部構造の型を取り、間にウレタンを流し込む。切れ込みを入れずに内部の型を抜くという独自技術で心臓の中の空間も再現。軟らかく、実際に切ったり縫ったりと、手術の予行演習ができるのは世界初だ。

拡大する写真・図版先天性心疾患の心臓モデル。弁や血管など、内部も忠実に再現。触ると軟らかく、弾力がある=クロスメディカル提供

 この子の心臓の穴は指が入れられるか。筋肉をかき分け、患部が見えるか。手術前に模型を使って、実際に確認することが可能になった。ある医師からは「東大入試の問題を、試験前日にもらうようなもの。手順を暗記して、スムーズに手術できる」と絶賛された。全身麻酔をかけての手術は子どもに大きな負担がかかる。時間短縮は、子どもの命を守るために必要不可欠だ。

 開発した心臓モデルは、現在はピンセットなどと同じ一般医療機器に認可されている。だが、作製には20万~30万円かかり、医療機関の負担になる。同社の竹田正俊社長(47)によると、患児の親が医師に「モデルを使ってほしい」と頼んでも、価格を理由に使われないこともあったという。より多くの医師が使える保険適用を目指し、この春から国立循環器病研究センターや東京大学医学部付属病院などで治験が始まった。

■求められる「リアルさ」、ダメ…

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