[PR]

 宮沢賢治が晩年に技師を務めた旧東北砕石工場(岩手県一関市東山町)の一般公開が、4年ぶりに始まった。耐震補強などの工事が終わり、見学用に内部を整備。当時の工場の様子と賢治の足跡をたどる展示となっている。

 旧東北砕石工場は同市の「石と賢治のミュージアム」の施設の一つ。1924(大正13)年、石灰石を採掘して農業生産を向上させる土壌改良剤をつくるため、地元の鈴木東蔵らが創業した。賢治はともに農民救済をめざした東蔵と出会い、亡くなる2年前の31(昭和6)年に同工場技師になった。病で体が弱る中、ここで生産される改良剤の普及に取り組んだ。

 建物は96年に国の登録有形文化財に指定。2016年12月から、工事のため公開が中止されていた。工事費は国の補助金と市予算を合わせ約1億7千万円。

 13日の再開イベントで、賢治の弟清六さんの孫で林風舎代表取締役の宮沢和樹さんは「賢治さんは(農民のため)自分にできることをやるんだという、大きい夢を持ってここにいたんだと思う」と話した。JR大船渡線の陸中松川駅前にあり、入館料は大人300円など。(泉賢司)