【動画】「動物たちはどこへ 変わりゆく動物園」 転換期を迎えた動物園の実態に迫ります
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 動物園の事情で、ほかの動物園や業者に譲渡されたり、交換されたりせざるを得なくなった動物たち。全国84公立動物園の開示資料では5年間で5千頭近くの動物が動物園から出て行っていたが、こうした動物の「移動」によって生じるリスクもある。

 2016年3月、天王寺動物園(大阪市)から動物交換によって動物商の坪井源幸(げんこう)氏に渡ったグラントシマウマのバロン。運び込まれた乗馬クラブの柵を乗り越え、逃げ込んだゴルフ場の池で麻酔薬入りの吹き矢を打たれ、倒れて死んだ。

拡大する写真・図版生後6カ月ごろのバロン(手前)。母ナデシコ(奥)と一緒に過ごす様子がよく見られた(2014年12月2日、天王寺動物園提供)

 バロンは愛知県内の移動動物園に転売されていて、いったん乗馬クラブに入れたのは人になれさせるためだった。だが、生まれてからずっと動物園暮らしだったため、知らない人に近づいてこられてパニックになったという。天王寺動物園の担当者は「大切に育てた子が死んだと知り、つらかった。まさか、飛び越えられるような柵しかないところに預けられるとは思わなかった」と悔やむ。

 同じ年の春、鹿児島市の平川動物公園で余剰動物となった2頭のコツメカワウソは、有竹鳥獣店に引き取られた後、静岡市内のペットショップ店頭に並べられることになった。

 コツメカワウソは国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅の恐れが高い「危急種」に分類されている。19年にはワシントン条約の「付属書1」に分類され、学術目的以外での国際取引が禁止された。動物園などで適切に管理され、種の保存の観点から繁殖していく必要があるとされた動物だ。

 だがペットショップで販売された2頭は、いまどこで飼われているのかわからない。平川動物公園の桜井普子飼育展示課長は「もう、繁殖のサークルには戻ってこられない」と話す。

 動物商を介してペットショップなどへ転売された動物は、「密輸の隠れみの」に使われるおそれもある。

拡大する写真・図版コツメカワウソ=2020年3月18日午前11時28分、香川県宇多津町、添田樹紀撮影

 コツメカワウソは、生息地のタイの闇市場では数千円で売買されるが、日本のペットショップ店頭では数十万円から100万円超で販売されており、密輸の横行が指摘されている。

【プレミアムA】動物たちはどこへ ~変わりゆく動物園~
日本に動物園ができてまもなく140年。これからも存在していくために、果たすべき役割は何か。情報公開請求して入手した84の公立動物園の資料と取材をもとに、動物園が抱える理想と現実、ひずみに迫ります。

 密輸したコツメカワウソをペッ…

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