[PR]

 自民党の新総裁に選出された菅義偉官房長官は、官僚トップの官房副長官に杉田和博氏(79)、外交・安全保障政策の司令塔である国家安全保障局(NSS)の局長に北村滋氏(63)を再任する方針を固めた。菅氏の側近である和泉洋人首相補佐官(67)も再任する。首相官邸の事務方の幹部を続投させ、危機管理体制や政策の継続性を保つ狙いがあるとみられる。

 安倍晋三首相の最側近として、政務担当の首相秘書官と首相補佐官を務めた今井尚哉氏(62)を、内閣官房参与に充てる人事も固まった。

 杉田氏は警察庁警備局長、内閣情報官、内閣危機管理監を歴任した経験から、危機管理を担ってきた。2012年末の第2次安倍政権発足とともに現職に就き、今年4月には副長官としての在職日数が歴代2位に。17年からは中央省庁の幹部人事を一元管理する内閣人事局長も兼ねる。来夏の東京五輪・パラリンピック実現をめざし、関係省庁を束ねる役割も負う。

 北村氏は、第1次安倍政権で首相秘書官を務めた安倍首相の側近。同じ警察庁出身として、杉田氏にも近い。警察庁外事情報部長などを経て、民主党政権の11年12月に内閣情報官に就任。第2次安倍政権発足後も情報官を務め、昨年9月にNSS局長に就いた。菅氏が昨年5月に訪米し、「外交デビュー」といわれた際は、米政府の情報機関を統括する当時のコーツ国家情報長官との会談を設定、同席した。

 和泉氏は旧建設省(現国土交通省)出身で、13年1月から安倍政権の首相補佐官を務めてきた。菅氏側近として、沖縄県の米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題や、新型コロナウイルス対策など幅広い政策に関与している。

 17年には学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設問題をめぐり、元文部科学次官が和泉氏から「(安倍晋三)総理は自分の口から言えないから、私が代わって言う」などと獣医学部新設を働きかけられたと証言。国会に参考人として出席した和泉氏は「こんな極端な話をすれば記憶に残っている。そうした記憶は全く残っていない。従って言っていない」と主張した。

 今井氏は旧通商産業省(現経済産業省)出身。安倍首相の「側近中の側近」として知られ、2度の消費増税先送りのほか、日中や日ロをはじめとする外交政策にも大きな影響力を及ぼした。第1次安倍政権で事務担当の首相秘書官を務めた後、資源エネルギー庁次長などを経て、第2次安倍政権発足後は政務担当の首相秘書官として安倍氏を支えた。昨年9月からは首相補佐官(政策企画の総括担当)も兼務していた。