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 安倍晋三首相は16日午前の臨時閣議で総辞職した。第2次安倍政権の発足以降、首相の連続在職日数は歴代最長の2822日。約7年8カ月にわたる長期政権が幕を閉じた。同日午後の臨時国会で、第2次政権で官房長官を続けた自民党の菅義偉総裁が第99代首相に選出され、新内閣が発足する。

 首相は同日朝、首相官邸のツイッターに動画を投稿し、「残念ながら残された課題もある。同時に国論を二分するような困難な課題に挑戦し、達成できたこと、実践できたことがある」と振り返った。午前9時前に官邸に出邸した首相は記者団の取材に応じ「様々な課題に国民の皆さまとともにチャレンジすることができたことは、私の誇りとするところだ」と述べた。その後の臨時閣議で閣僚の辞表をとりまとめた。

 首相は2006年、戦後最年少の52歳で第1次政権を発足させたが、体調不良などから約1年で退陣。12年9月に当時野党だった自民党の総裁に再選し、12月の衆院選で民主党から政権を奪い返して首相に返り咲いた。党総裁任期は来年9月までだが、今年8月に持病の潰瘍(かいよう)性大腸炎の再発を理由に辞任を表明した。

 16日午後には、「安倍政権の継承」を掲げる菅氏が、衆参両院の首相指名選挙を経て、選出される。菅氏は午前の臨時閣議に出席後、自民党本部で広報用の写真撮影に臨んだ。同日国会内であった党参院議員総会では、世耕弘成・党参院幹事長が「いよいよ菅新政権が発足する。7年8カ月ぶりに新しい総理・総裁のもとで参院を動かしていく」と語った。

 組閣では、菅氏の後任となる官房長官に、加藤勝信厚生労働相を起用する方針。首相を除く20人の閣僚のうち、麻生太郎副総理兼財務相や茂木敏充外相、萩生田光一文部科学相ら8人を再任。初入閣は5人にとどまり、女性閣僚は法相の上川陽子元法相ら2人だった。平均年齢は60・4歳となる。

 新政権は新型コロナウイルスへの対策のほか、安倍政権の「負の遺産」とされ、菅氏や麻生氏らも対応してきた森友・加計(かけ)学園や「桜を見る会」の問題を、どう説明していくかも問われることになる。(菊地直己)