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周囲はささいなことだと思っても、子どもが追い詰められることは少なくありません。「いじめを受けた」と感じ、学校に通えなくなった少年が、どんな思いを抱え、何を考えてきたのか。その声に耳を傾けます。※5月に紙面掲載し、反響が大きかった連載をデジタル版向けに配信します。(少年の名前は仮名にします)

いま子どもたちは:いじめの過去と闘う【前編】

 「僕は、小学校5年の夏休み明けから、クラスでいじめに遭った。いじめという名の精神的、肉体的暴力だ。先生に助けを求めても無視された」

 昨年12月、東京・霞が関にある東京高等裁判所の法廷。弁護士と並んで控訴人席についたエイジさん(18)は、こう語った。身を包んだ濃紺の三つぞろいのスーツは、闘うための「よろい」だ。

拡大する写真・図版同級生の両親と市に対して、賠償を求める訴訟を起こしたのは14歳の夏。エイジさんが父母を説得して始めた。いまは控訴審で審議中だ=2020年4月、東京都千代田区、加藤諒撮影

 千葉市内の公立小学校に通っていたエイジさん。学校は楽しく、毎日笑顔で学び、遊んでいた。

 転機は、「以前から乱暴で目立っていた」男子A君と同じクラスになった5年のとき。夏休み明けのある日、A君に頻繁にちょっかいを出されて給食が食べられなかった。先生のところに行き、「A君がうるさくするので注意してほしい」と訴えた。先生は「わかった」という感じで答えた。席に戻ると、A君は「まずくて食えねえ」と言ってきたり、ひざの上に乗ってきたり。我慢できずに再び先生に注意してほしいと伝えると、先生は言った。

 「いちいち言いに来なくていい」

 いつになく強い口調で言われたと感じたエイジさんは、ショックを受けた。「お前は黙ってろ」という意味だと受け止めた。「このときが、クラスの中の関係性が変わった境目だった」と振り返る。その後、クラスメートから「A君を刺激する困ったヤツ」「お前が悪い」という目で見られていると感じるようになったという。

「暴力ふるってもいい」クラスの雰囲気に

 A君については、4年のときの…

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