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 7月10日、トランプ米大統領の長年の盟友、ロジャー・ストーン氏(68)がフロリダ州の自宅周辺に集まった報道陣の前に現れた。

 「大統領閣下、私の命を救ってくれてありがとう」

 高々とピースサインを掲げたストーン氏は、偽証罪など七つの罪で禁錮3年4カ月の実刑が確定していたが、収監を4日後に控えたこの日、トランプ氏が刑を免除した。

 刑免除などの恩赦は、合衆国憲法に基づく大統領特権で、制限はない。それだけに乱用の恐れがあり、司法省の恩赦法務官室が対象者を推薦する手続きが構築されている。しかし、トランプ氏はこうした手続きを踏まず、ストーン氏ら自分に近い人に恩赦を与えてきた。

 司法省の元検察官のデビッド・マチョウ氏は恩赦のニュースを見て強いショックを覚えた。ストーン氏はトランプ氏の友人であるうえ、前回大統領選ではトランプ陣営の選挙顧問だった。問われた罪も、ロシアがトランプ陣営に肩入れして大統領選に介入した「ロシア疑惑」に関する偽証だ。「司法制度の心臓部を攻撃する犯罪であるにもかかわらず、トランプ氏は政治的な理由で友人の刑を免除した」と憤る。

 独立しているはずの司法への介入には「前例のない腐敗」(ロムニー上院議員)と共和党からも批判が出た。しかし、ロシア疑惑を「魔女狩り」と呼ぶトランプ氏は、「人々は非常に喜んでいる。正義を求めているのだ」と胸を張った。

 刑免除の決定は突然行われたわけではない。着々と布石を打ったのが、バー司法長官だ。昨年2月に就任以降、ロシア疑惑を「いんちき話」と断じ、指揮下の連邦捜査局(FBI)の捜査を「悪意があった可能性がある」と批判。今年2月には、ストーン氏への求刑についてトランプ氏が不満を示すと、バー氏率いる司法省が求刑を取り消し、軽くなった。マチョウ氏ら、元司法省当局者ら約2700人が「法の支配を傷つける行為」とバー氏の辞任を要求する事態となった。

 司法省は5月にも、ロシア疑惑をめぐる偽証罪で公判中のフリン元大統領補佐官の訴追を放棄する異例の申し立てをした。トランプ氏はフリン氏の恩赦も示唆している。オバマ政権で司法次官補だった、ロナルド・ホワイチ氏は「トランプ氏が過激な権力行使を続けられるのは、バー氏が法的な裏書きを与えて正当化しているためだ」と語る。

現司法長官、「大統領には絶対的権限」が信条

 2016年の米大統領選で、ロ…

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