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 半世紀以上にわたって活躍し続ける絵本作家の田島征三さん。生き物の命と向き合った少年期の原体験を描いた絵本「つかまえた」(偕成社)が、7月に出版された。1月に80歳を迎えた田島さんは、この絵本で新たな表現に挑戦することで、自らを勢いづけていたという。原画展の全国巡回も始まっている。

拡大する写真・図版「つかまえた」田島征三作(偕成社)

 夏のある日、川の浅瀬に大きな魚を見つけた「ぼく」。滑って落ちた水の中で、伸ばした指に魚が触れた。無我夢中でつかむ手の中で、ぐりぐりと暴れる命。生命の躍動感と、いとおしさ、切なさが、生き生きと描かれる。

 「子どもの頃から、生き物に囲まれて、生き物と共に育ってきた。この絵本で描いたのは、ずっと自分の、ものを作る上での表現の土台、根っこになっていた体験」と田島さんは話す。

 高知で過ごした少年時代、夏になると、よく川で魚を捕まえた。バケツに入れて家に帰ると、あんなに暴れていた魚が、白いおなかを見せて死んでいる。「どうせさばいて食べるんだけど、さっきまで生きていた魚が、死んでしまったことの悲しさ、喪失感、取り返せないもの……ということを、何回も思っていた」

 冬にやってくるツグミやヒヨド…

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