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 新型コロナウイルス感染者や医療従事者らへの偏見や差別をなくそうという「シトラスリボンプロジェクト」が宮崎県内でも広がりを見せている。ソラシドエア(宮崎市)の客室乗務員が制服にリボンを着けたほか、リボンをデザインしたトラックも県内外を走っている。

 プロジェクトは愛媛県発の活動。愛媛では4月ごろ、コロナ感染者への非難や中傷が相次いだほか、感染拡大地域を往来する運送業者の家庭の子どもに、学校や教育委員会が自宅待機を要請する事例もあった。

 心を痛めた地元の大学教授らが呼びかけ人となり、治療を終えた感染者とも笑顔で「ただいま」「おかえり」を言い合える社会を目指そうとプロジェクトを始めた。シトラス(愛媛特産のかんきつ類)カラーのリボンを使い、「地域」「家庭」「職場(学校)」を示す三つの輪をつくって掲げる取り組みで、活動は全国に広がっている。

 ソラシドエアは7月にシトラスリボンの着用を始めた。コロナ禍で客との接点が減る中、客室乗務員から賛同したいと声が上がったという。原田知己・企画部担当部長は「『空から笑顔の種をまく。』という当社のコンセプトとも合致し、ピスタチオグリーンのコーポレートカラーとも親和性が高い」。リボン着用はパイロットにも広がっているという。

 都城市のマキタ運輸(牧田信良社長)は8月下旬から、シトラスリボンをデザインしたラッピングトレーラーやトラック約10台を走らせている。県トラック協会も取り組みに賛同。今後、加盟する451社にシトラスリボンをデザインしたステッカーを配り、トラックの荷台後部などに貼ってもらうという。

 協会の牧富士夫・常務理事は「10年前の口蹄疫(こうていえき)では、宮崎ナンバーのトラックが県外で空き缶を投げつけられることがあった。また、『宮崎ナンバーお断り』の観光施設もあった」と振り返り、「第一線を支える人への風評被害をなくそうとプロジェクトに参加した」と話した。

 また、輸送事業者が多く利用する宮崎カーフェリーも宮崎港の乗船ターミナルビルにシトラスリボンをデザインした横断幕を掲げているという。(菊地洋行)