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 健康診断で蓄積したビッグデータを住民の健康づくりに生かそうと、弘前大学や青森県弘前市が15年前から取り組む「岩木健康増進プロジェクト」。新型コロナウイルスの影響で5月から延期されていた今年度の大規模健診が17日、同市岩木地区で始まった。健診は感染防止策を徹底して開催され、健康寿命の改善をめざす住民が検査に臨んだ。

 会場となった市岩木文化センターには早朝から次々と住民が訪れ、両手足の血圧測定や詳細な血液検査、関節のX線撮影など生活習慣病の予防や健康寿命の改善に役立つ検査を受けた。また、指の血流や体温から冷え症の状態を調べたり、自動車の運転と健康の関係を調べるアンケートに答えたり、生活の質向上につながる調査もあった。

 短命県返上をめざす同プロジェクトは2005年に始まり、産学官で解析したデータを病気の予防や医療に生かす取り組みが内閣府などが主催する「第1回日本オープンイノベーション大賞」を受賞するなど高い評価を受けている。

 今回は一部検査で検査担当者とのやりとりにリモート形式を取り入れた。さらに、県外から訪れた検査担当者はPCR検査を受けるなど感染防止策を徹底。これまでの2千~3千項目だった検査項目を約千項目に絞り、参加予定者も25日までの健診期間に約540人と例年の約半数での開催となった。

 弘大COIの中路重之拠点長は「今年もプロジェクトをやるか迷ったが、待ってくれている岩木地区の方に応えたいと思った。このデータや信頼関係が短命県返上のまん中にある」と話した。(林義則)