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 公立動物園から出て行った動物は5年間で約5千頭――。朝日新聞が行った情報開示請求で公開された全国84動物園の文書を分析したところ、そんな結果が明らかになった。動物たちはどこへ、何のために出て行っているのだろう?

 開示されたのは、76自治体にある84園が2014~18年度に搬出、搬入した動物に関する資料。独自に集計した結果、計4978頭が他の動物園や業者などに移っていた。

 動物園から出て行く理由として最も多かったのは、無償での譲り渡し。全体の47%を占めていた。次いで動物同士の交換が34%、繁殖のために所有権を移さずに貸し借りをするブリーディングローン(BL)関連が9%だった。対価を得る売却も、2%あった。

 動物園から外に出されることの背景には、繁殖で生まれたものの、スペースなどの問題などから飼育を続けられなるといった動物園の事情がある。こうして出て行く「余剰動物」と呼ばれる存在がいることはわかっていたが、その実数はこれまで把握されていなかった。

 移動先としては、国内の別の動物園や水族館が62%で最も多かった。動物商と呼ばれる鳥獣売買業者、ペットショップなどの業者も25%を占めた。海外に送られたものも3%いて、札幌市のキリンがミャンマーへ、静岡市のレッサーパンダがカナダへ、広島市のオオサンショウウオがハワイへ行くなどした。

 動物別で最多だったのはテンジクネズミ(モルモット)で、学校や子どもの施設への譲渡が目立つ。このほか、ルーセットオオコウモリ、アカアシガメなどの爬虫(はちゅう)類、小型のサルなどペット需要のある動物が業者へ渡っていた。

 繁殖の目的での移動が多かったのは、レッサーパンダ、ケープハイラックス、カピバラなどだった。

 一方、5年間で動物園に入ってきた動物は7914頭。無償で譲り受けたものが34%と最多で、業者などからの購入が26%、BL関連が5%だった。

 購入した動物で最も多かったのはハツカネズミ。次いでモルモット、ウサギなどが多く、ふれあい用の動物の購入が目立った。

 近年、海外からの動物の輸入は難しいとされるが、コアラ(8頭)やアジアゾウ(8頭)、アムールトラ(4頭)などは、複数頭が輸入されていた。