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 大根おろしのように心がごりごりとすり下ろされ、痛みとみずみずしさが同時にわき上がってくる。「文芸」秋号の巻頭小説を読み、私はのけぞった。その『推(お)し、燃ゆ』を書いた宇佐見りんさん(21)は大学生。9月17日にはデビュー作『かか』で三島由紀夫賞の最年少受賞を果たした。どんな人なのか。会いに行った。(根岸拓朗)

 うさみ・りん 1999年、静岡県生まれ、神奈川県育ち。大学2年生。大学では演劇や歌舞伎のサークルに所属する。今月11日、2作目『推(お)し、燃ゆ』が発売。17日には、昨年の文芸賞に選ばれたデビュー作『かか』で三島由紀夫賞の最年少受賞となった。好きな作家は中上健次。「痛みを知っていていとおしさがあって、苦しみがちゃんと書かれているのがすごく好きです」

 東京・千駄ケ谷にある河出書房新社の一室で、シャッター音が響いていた。8月中旬。『推し、燃ゆ』の宣伝用の撮影に宇佐見さんが臨む場に、同席させてもらった。

 目線やポーズの注文が次々に飛ぶ。「リラックスすると猫背になるんですよね」。時折、照れ笑いを見せながらカメラに向き合う宇佐見さん。新刊のピンク色の表紙を見て、「まじでステキです」と声を弾ませた。

 作品の主人公は、アイドルグループの男性メンバーを推す(応援する)高校生のあかり。彼女は学校でも家族関係でもバイト先でもズレを抱えこみ、スムーズに日常生活をこなせない。あるとき、そのメンバーがファンを殴って「炎上」が起き、あかりはさらに推し活動にのめりこむ――という話だ。

 宇佐見さんは子どものころから…

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