家計の預金、過去最高の1031兆円 消費減と給付金で

渡辺淳基
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 家計の現預金が6月末時点で、前年比4・0%増の1031兆円と過去最高を記録した。政府が出した1人10万円の特別定額給付金や、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って消費が低迷した影響を受けた。

 日本銀行が18日、4~6月期の資金循環統計(速報)として発表した。家計が持つ金融資産全体の残高は、6月末時点で前年比1・8%増の1883兆円。現預金はこのうち55%を占める。次いで多いのは保険で同0・2%増の375兆円。一方で、株式等は感染拡大後の株価低迷で、同4・3%減の173兆円。投資信託も同2・7%減の68兆円に減った。2~3月にかけて急落した株価はその後回復したため、下落幅は3月末時点より縮小した。

 民間企業の金融資産残高をみると、計1185兆円のうち、現預金は308兆円で前年比16・3%増と伸びた。新型コロナの打撃を乗り切ろうと、運転資金を多めに確保する動きが広がったためだ。金融機関の貸し出しも前年比7・6%増の942兆円と、過去最高を更新している。

 こうした企業の資金繰りを支えるため、日本銀行は大量の国債を買っている。6月末時点での保有残高は521兆円と全体の45%を占めて過去最高になった。10年6月末は9%だった。

 SMBC日興証券のチーフマーケットエコノミスト、丸山義正氏は「企業が資金不足となり、運転資金確保のため借り入れと社債発行を急増させた。一方で、外出自粛などの結果、家計は支出が減って資金余剰になった。コロナ禍の影響が鮮明に表れた」とみる。渡辺淳基