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 「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は、もどかしさのドラマです。18日から公開中のシリーズ完結編「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を見て、その思いを強くしました。胸につかえる思い、すぐには届かない相手。募るもどかしさの果て、ようやく伝わったその時、もどかしさは喜びに反転します。いましめから解き放たれたように。硬い氷が澄んだせせらぎに変わるように。ヴァイオレットという少女の物語でもどかしさを生むのは、手紙という伝達形式、彼女の生業である代筆、そして、彼女がまだ受け止めきれていない「愛してる」の言葉です。

 36人が死亡、33人が重軽傷を負った放火殺人事件から1年と2カ月。京都アニメーションが事件後に制作した最初の作品となります。映画を見ての印象は、昨秋公開の「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝―永遠と自動手記人形―」(事件前に完成させた最後の作品)に比べ、映像が少し地味だと感じました。

 もしかしたら、背景美術でもうひとハケ、撮影でもうひとツヤ、手をかけたかったのではないだろうか。3DCGと組み合わせた凝ったカメラワークの派手なシーンをあきらめたりしてはいないだろうか。そんなことを勝手に想像しますが、キャラクターの表情やその繊細な感情表現に、何ら文句はありません。十分満足する出来栄えです。全寮制のお嬢様学校を舞台にして舞踏会も出てきた「外伝」に対し、今回の劇場版は病院や離島が舞台なのでそのせいで華やかさが抑えられたのかも知れませんし、何より今回は、死の影が濃い物語ですから。あ、ネタバレです。お気を付け下さい。

 電気や電話がこれから普及しよ…

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