拡大する写真・図版夜空に浮かぶ「王」の火文字=2020年9月17日午後8時00分、臼杵市、佐藤幸徳撮影

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 大分県臼杵市望月地区で約300年前から続く火伏せ祈願の行事「王の字火まつり」が、旧暦8月1日の八朔(はっさく)に当たる17日に始まった。三夜続く祭りで、いずれも午後8時に点火。立石山の山腹に縦約60メートル、横約50メートルの巨大な「王」の火文字が浮き上がった。

 地元の青年団や地区住民ら約30人が参加。山腹に直径約2メートル、深さ約50センチの穴53個を掘り、それぞれに麦わらを2メートルほどの高さに積んで王の字を表す。

拡大する写真・図版夜空に浮かぶ「王」の火文字=2020年9月17日午後8時01分、臼杵市、佐藤幸徳撮影

 望月地区は約150戸。少子高齢化で先祖代々続けてきた祭りの継続は難しくなっているという。疋田忠公区長(72)は「集落に秋の訪れを告げる伝統の行事です。暗闇の中に炎の『王』の字が、浮かび上がる瞬間をぜひ、見てほしいです」と話した。

 王の字火まつりが始まったはっきりとした年代は分からないが、約300年前に望月で大火事があり、地区の人々が立石山頂に祠(ほこら)を建てて「火伏せ」を願ったのが始まりとされる。「王」の字にした理由は明らかでないという。(佐藤幸徳)