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 米疾病対策センター(CDC)は18日、新型コロナウイルスの検査に関する指針を改訂し、「感染者に接触した全ての人は検査が必要だ」とした。8月末には「症状がなければ検査は必要ない」と変更したばかりだったが、専門家から批判の声が相次ぎ、1カ月足らずで撤回した。米メディアは、検査を絞り込むような指針の変更は、政治判断で行われたと報道している。

 新たな指針では、感染が確認された人と約1・8メートルより近い距離で少なくとも15分過ごしたような濃厚接触者は症状がなくても、検査を受ける必要がある。CDCは、「無症状や、症状が出る前の人からのウイルス感染が重要なため」、再改訂したと説明している。

 米国は新型コロナの感染者数が約670万人、死者数も20万人に迫り、ともに世界最悪だ。トランプ大統領は以前から「感染者が多いのは、検査が多すぎるからだ」と不満を示している。ニューヨーク・タイムズによると、8月の検査指針の変更は、科学的な検証をする通常の手続きを経ずに作られ、科学者らが反対したにもかかわらず、ホームページで発表されたという。

 11月の大統領選を前に、新型コロナの対策状況をよく見せたいトランプ氏は、他にも楽観論を展開している。18日は開発中のワクチンについて、「年内に1億回分が製造され、来年4月までに全ての米国人に接種するために十分な量が確保できる」と発言。CDCのレッドフィールド所長らは、全員に行き渡るのは来年のもっと遅い時期になるとしており、見解が異なっている。(ワシントン=香取啓介)