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 理髪店の3代目の吉田健(たけし)さん(48)は今年4月、福島県葛尾村で9年ぶりに店を再開した。避難先から村に戻った人は少なく、子どもの姿はまばらだ。決断を後押ししたのは高校生の息子の一言だった。「店を継ぐ」。うれしかったが、先行きへの不安と背中合わせだ。

原発避難 村の子は様々な経験

  「仕方がないと思う」(2011年)

 村の中心部にある吉田理容所を継いだのは今から20年前。父親が急死し、いわき市の理髪店から半年早く実家に戻った。「おばあちゃんが始めて父が継ぎ、そして私」。3代でつないできた店が誇りだった。

 原発事故による全村避難から7カ月半後。役場と多くの町民が避難した三春町の仮設住宅に7軒の仮設店舗がオープンし、理髪店を再開した。椅子や小物は村から運んだ。「皆さんが集まって話をする、床屋をそういう場にしたかった」

 葛尾小の1年生の時に避難した一人息子の開俊(はるとし)さんは、2年生の1学期は福島市、2学期から三春町の小学校に通った。4年生の時に葛尾小が三春町で再開することになり、選択を迫られた。「いずれは村に戻るつもりだし、葛尾小は仮設住宅から送迎バスも出る。私に迷いはなかった」

 1年生の時、クラスには15人…

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