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【答える人】西中直也さん 昭和大学大学院保健医療学研究科教授(横浜市青葉区)

 56歳女性。今年の初めごろから利き手ではない左腕が上げにくくなりました。整骨院で「いわゆる五十肩」と言われ、週に2回温めて、もむなどのマッサージを受けていますが悪化している気がします。何か体操などしたほうがいいのでしょうか。(東京都・H)

 Q 五十肩とは?

 A 転んでケガをするなどの外傷、関節リウマチや腫瘍(しゅよう)など明らかな原因がないのに、肩関節の周囲に痛みや動きの悪さ(可動域制限)がある肩関節周囲炎のことです。X線などの画像検査では異常が出ません。上腕骨と肩甲骨をつなぐ袋の関節包と肩周りの関節をスムーズに動かすためにクッションの役割をする袋に炎症が起き、傷んでいる状態です。中年以降に発症し、五十肩、四十肩などと呼ばれます。

 Q 中年になったら皆なるのですか?

 A 一般人口の2~5%と言われています。ただ、40~60代が大半を占めています。糖尿病のある人はなりやすいとされます。夜間に痛みが強い人が圧倒的に多く眠れないことでメンタル不調にもつながりかねません。

 Q どんな症状ですか?

 A 五十肩は痛みの強い「急性期」、痛みとは関係なく肩がかたくなり動かしにくくなる「拘縮(こうしゅく)期」、両方重なる「移行期」、治まっていく「回復期」を経て、本来は3~6カ月で自然に治癒します。ただ、この回復のレールから外れると関節の損傷が修復されずに痛みが長引き、ごく少数ですが、関節鏡による手術が必要になるほど悪化してしまう人もいます。

 Q 治療法は?

 A 急性期はのみ薬や注射薬の消炎鎮痛剤を使って痛みを取ること、クッションなどの上に腕を置いて肩にやさしい安静の姿勢を保持することが重要です。痛みが治まっても、そのままでは炎症が起きている関節包が癒着するなどし、柔軟性がなくなってしまいます。拘縮期には、関節包を柔らかくするため、少し前かがみになって腕の力を抜き、だらりと下げて手を前後に動かす「コッドマン体操」などを行います。整形外科で理学療法士らに指導してもらうとよいでしょう。

 Q 回復期の注意点は?

 A 肩をどんどん動かす必要があります。ラジオ体操や、肩の動きに重要な体幹の柔軟性を養うため、ストレッチをしましょう。

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