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 イタリアで国会議員の定数削減の是非を問う国民投票が20~21日に行われ、開票の結果、賛成票が約7割となった。上下院あわせて945議席が、600議席に削減される。「議会のスリム化」は財政再建を進めるイタリアが抱えてきた重要課題の一つで、議員定数問題を抱えるドイツなどにも影響を与えそうだ。

 イタリア内務省によると賛成は70・0%、反対が30・0%。投票率は51・1%だった。今後、下院は630議席から400議席に、上院は315議席から200議席に削減される。現在の上下院の任期は2023年までで、次回の選挙から新たな定数が適用される。国民投票は今年3月に予定されていたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期となっていた。

 議員定数の削減は、18年の総選挙で既得権益の打破を訴えて躍進し、同年に発足したコンテ政権で連立与党の一角となった市民政党「五つ星運動」が求めていた。主要紙レプブリカによると、今回の定数削減で、上下院合わせて年間約8200万ユーロ(約101億円)の経費削減になるという。一方、議員1人あたりの有権者数が増え、「地方の声が届きにくくなる」といった反対意見があり、少数政党も「議会の多様性が失われる」と反対していた。

 議員定数の削減は、欧州の他の国でも議論になってきた。下院にあたる連邦議会議員が709人のドイツでは、次期選挙までの定数削減が議論されてきたが、政治家が自らの身を削る改革の実現は難しいのが現状だ。日本では2012年に当時の野田佳彦首相と自民党の安倍晋三総裁が定数削減で合意し、衆院が解散されたが、実現しなかった。現在の定数は衆院が16年の公選法改正で10減って465議席となり、参院は18年に6増えて248議席となっている。(ローマ=河原田慎一)