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 中国の習近平(シーチンピン)国家主席は22日の国連総会の一般討論でビデオ演説を行い、地球温暖化の原因になっている温室効果ガスの排出量について「2060年までに排出実質ゼロを実現できるように努力する」と語った。21世紀後半までに世界全体での実質ゼロを目指す「パリ協定」に絡み、中国が具体的な長期目標を示すのは初めて。

 習氏はパリ協定について「低炭素社会への転換の大きな方向を示した」と評価した。そのうえで、「地球を守るために必要な最低限の行動だ。各国は決定的な一歩を踏み出さなければならない」と強調。中国の貢献として、30年までに排出量が減少に転じる「ピークアウト」を達成し、60年までに実質ゼロを実現するとした。

 習氏が国連総会で温暖化対策への方針を示したのは、世界的な課題で国際協力に消極的なトランプ米政権との違いを際立たせる狙いがあったとみられる。習氏は新型コロナ対応として国連人道支援計画への5千万ドルの提供も打ち出し、「我々は多国間主義の道を歩み、国連を中心とする国際体系を守らねばならない」と訴えた。(北京=冨名腰隆)