古田寛也
JR西日本が来年3月から、近畿の主要な路線で終電時間を大幅に早めることに決めた。背景には、深刻な保線作業現場の人手不足がある。「休日が少ない」などの理由で離職が後を絶たず、人が足りないと仕事はきつくなり、さらに人離れが進む――。そんな悪循環に、新型コロナウイルスが拍車をかける。(古田寛也)
大阪環状線の大阪城公園駅(大阪市中央区)近くの高架下に深夜、約40人の作業員が集まっていた。
午前0時40分、最終電車が通り過ぎたのを見届けると、現場責任者が業務用スマホを取り出した。専用アプリで指令所につなぎ、周辺の信号が赤信号に変わったか、本当に終電だったかどうかなどを問い合わせた。20分ほどしてアプリに安全確認を知らせる通知が届いた。「右よし、左よし、立ち入りよし」。指さし確認をしてから線路に入る作業員らの声が響いた。
同駅から京橋駅(同市都島区)までの区間で、古くなった鉄製レールを244メートルにわたって交換する作業に取りかかった。作業員たちは、専用のガスバーナーで古いレールを25メートルほどの長さに切断すると、複数の小型クレーンを使って持ち上げ、線路脇にどけた。そして同じようにして、新しいレールを枕木の上に載せた。
午前2時半、レールどうしの溶接作業が始まった。「ここからが職人技です」。JR西近畿統括本部の佐野功・施設課長が教えてくれた。
作業員が、定規のような計測器…
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