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 政権発足翌日の17日午後4時前、首相官邸に田村憲久厚生労働相が駆け込んだ。菅義偉首相からの呼び出しだった。18時間前、閣僚に今後の政策の指示を出したばかりだが、田村氏には追加の指示があった。

 菅氏は田村氏に「不妊治療をめぐる助成の大幅な増額」の早急な実現を求めた。不妊治療への公的医療保険適用などの支援拡大は自民党総裁選で菅氏が少子化対策の一環として掲げた目玉政策。とはいえ、携帯電話料金の引き下げなどと比べ、厚労分野への関心はさほど高くないとみられていただけに、厚労省に戻った田村氏がその内容を明かすと、省内からは「スピード感に驚いた」との声が上がった。

 不妊治療のうち、公的医療保険の対象は、不妊の原因検査や精管閉塞(へいそく)など一部の治療に限られる。体外受精や顕微授精といった高度な治療は保険の対象外で、高額な治療費の一部を国が助成する制度がある。子どもを希望する人たちは重い費用負担の軽減を求めており、支援の拡充は朗報だ。

 ただ、いまは医療機関が自由に価格を設定できる自由診療だが、政府が価格を決める保険診療にすれば「医療側が嫌がる」(厚労省幹部)との見方がある。保険を適用するには医療機関ごとに異なる治療技術や価格から「標準的な治療」を見いだす必要もあり、厚労省は適用までに「2年程度かかる」との立場だ。

 もっとも菅氏はこうした点を見越し、「保険適用までの間は助成の増額でしのぐ」と具体的に指示した。厚労省は体外受精や顕微授精への助成を拡大する方向だ。少子化対策の文脈で語ることや保険を適用することの是非といった検討を差し置いて上意下達で進むことに、省内からは「妥当な政策か、根本的な議論が必要」といった声も漏れる。

 不妊治療とともに菅氏が指示した政策に「オンライン診療の恒久化」がある。新型コロナウイルスの流行期に限り、初診からオンラインで受けられる特例が取られているが、これを平時にもできるよう求めた。

 医療界は警戒を強める。日本医…

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