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 環境省は野生動物由来の感染症の調査・研究に乗り出す。野生動物が感染源と考えられている新型コロナウイルスのような感染症が、今後、人に広がる前に防げるよう、野生動物の保護・管理に研究の知見を生かす。来年度の概算要求に経費約2億5千万円を盛り込んだ。

拡大する写真・図版中国疾病対策センターが公開した新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真

 野生動物が感染源となる病気は、人獣共通感染症や動物由来感染症と呼ばれる。重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)などで、SARSはコウモリ、MERSはラクダなどがウイルスの宿主と推定されている。新型コロナもコウモリやセンザンコウなど何らかの野生動物が感染源と考えられている。

 これまでは、人に広がってから対策が取られることが多く、野生動物がどういった病原体を持っているかなどは詳細に把握されてこなかった。

 調査・研究では、まず関係省庁や国内の研究機関・大学と連携して、人獣共通感染症関連の情報を集約。イノシシやニホンジカ、タヌキなど狩猟鳥獣を中心に対象の動物を決定して、国内の野生動物の地域別の病原体の抗体保有率や生息密度、人間との接触機会などを勘案してリスクを評価する。その結果を柵の設置や捕獲、モニタリングなど野生動物の保護・管理に生かす。(水戸部六美)

拡大する写真・図版新型コロナウイルスとの関連も指摘されているセンザンコウの剝製(はくせい)