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 マイクロ波を使ったワイヤレス(無線)の電力伝送で、金沢工業大が世界最高の電力変換効率を達成したと、天野浩・名古屋大教授が代表の研究チームが23日発表した。今後、名大が開発した従来の3倍程度の電力を流せるダイオードを使い、より大きな電力を送る基盤技術の確立をめざす。

 天野教授によると、ワイヤレス電力伝送の技術によって、室内の機器やセンサーの電源コードや電池交換が不要になる。屋外でも機器に積むバッテリーを小型化できたり、ドローンに送電して上空からインフラを点検することが簡単になったりするという。

 ただ、送る電力が大きくなると、受電側の効率が下がる課題があった。金沢工大の伊東健治教授らは、受電アンテナの形を変えてダイオードを直接接続することで、マイクロ波電力1ワットを送った時に92・8%の電力変換効率を達成した。これまでの電力変換効率は70%程度だったという。受電する装置は、32ミリ×11ミリの小ささだ。

 研究チームは、10ワットの電力伝送でも世界最高効率をめざす。「10ワットは全く問題なくできると思う」と金沢工大の伊東教授。名大の天野教授は「これまで、受電側が課題だった。載せるバッテリーを小型化できたり、スマートフォンの電池切れがなくなったりするだろう。有益なシステムになる」と話した。(木村俊介、波多野陽)