サウスダコタ州=青山直篤
拡大する地域の農家向けの食肉処理場「カントン・ロッカーズ」を営むマーシー・ビアさん=7月8日、米サウスダコタ州カントン、青山直篤撮影
世界の胃袋を支えている米国の農畜産業。コロナ危機により、生産現場から食卓に至るその長大なサプライチェーンの真ん中に、突如、ボトルネック(隘路(あいろ))が生まれた。
サウスダコタ州内の小さな農村、カントンの食肉処理場「カントン・ロッカーズ」を訪ねてみた。普段は近隣の畜産農家からの注文を受け、少量の精肉に処理して販売している家族経営の店だ。こざっぱりとした店内では、数人の従業員が慌ただしく肉を切っていた。コロナ危機後に注文が激増し、この先1年間はすべて、家畜の処理の予約で埋まっているという。
切り盛りしているマーシー・ビアによると、昨秋にがんで59歳で亡くなった夫のウェインが、9歳のころから働いてきた店だ。1日に処理できるのはウシ、ブタ、羊などそれぞれ数頭ほどで、大工場に比べれば圧倒的に効率は悪い。
店内には「家族経営30周年」を祝う2005年のローカル紙の記事が掲げられ、「たゆまぬ勤勉とささやかな笑顔がカントン・ロッカーズの特徴だ」という記者の評が書かれていた。
「私たちが1982年に結婚し…
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