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 厚生労働省は、双子や三つ子などの多胎児を産む妊婦(多胎妊婦)らへの支援を手厚くする方針だ。多胎妊婦や多胎児を育てる家庭の負担が大きく、孤立することも少なくないためで、育児サポーターを派遣する自治体の事業や妊婦健診費用への補助を拡充する。今月末に締め切られる2021年度政府予算の概算要求に盛り込む。

 各自治体は、多胎児のいる家庭にサポーターを派遣して産前産後の外出時や日常の育児を支える事業に取り組んでいるが、厚労省は今年度から費用の一部を補助している。補助額はどの自治体も一律で月額40万8800円だが、来年度から規模の大きな自治体への補助額を大きく引き上げる。人口規模に応じて補助を手厚くし、より支援を受けやすくする。

 現在、産む子の数にかかわらず、妊婦健診費用の14回程度分を公費で補助している。多胎妊婦は健診回数が多くなりがちなため、さらに5回分の健診費用を補助(1回5千円)する。

 人口動態統計によると、19年に生まれた多胎児は1万7402人。ここ20年は全出生数の2%前後で推移している。不妊治療で排卵誘発剤を使ったり、体外受精で一度に複数の受精卵を子宮に戻したりした場合に多胎妊娠につながる可能性がある。多胎児は授乳やおむつ替えの回数が多くなり、睡眠不足や産後うつに悩む親も少なくない。18年には愛知県豊田市で、母親が生後11カ月の三つ子の次男を畳にたたきつけて死亡させるなど、痛ましい事件も相次いでいる。(田中瞳子)