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 暖かい紀伊半島南端の海で、ミナミハコフグと踊っているかのように見えたのは、サルパという生き物だ。撮影したダイビングインストラクターの川下修司さん(27)は「透明度が高い秋の日に潜ると上にも下にもサルパがいた」と話す。単独で漂う姿も、つながって鎖のように流れる様子も見られたが、「黄色い魚との組み合わせが絵になる」とシャッターを押した。

拡大する写真・図版透明な体のサルパと黄色いミナミハコフグ。どちらも大きさは数センチだ。第36回「日本の自然」写真コンテスト(全日本写真連盟など主催)で入選した「サルパとサンバ」という題の作品=川下修司さん撮影

 「透明な体からクラゲの仲間と思われがちだが違う生き物」と説明するのは、新江ノ島水族館(神奈川県藤沢市)の展示飼育部で働く山本岳さん(26)。クラゲが刺胞動物門に属するのに対し、サルパは脊索(せきさく)動物門に含まれる。知られている生き物の中ではホヤに近いそうだ。

 「海へ採集に行くとたまに捕まるので、持ち帰って展示することもある。決して珍しい生き物ではない」という。多くの植物プランクトンを食べる一方、さまざまな魚などの餌となり、生態系の中で大切な役目を果たしているらしい。(米山正寛)